しっかり要請内容を確認して、協力隊として、人と人、国と国をつなげるような国際社会の一員になりたい人は要チェックです。
【職種の一覧】9つの分野と190を超える職種
職種は、9つの分野に分かれていて、細分化すると190を超えます。
分野ごとに記載しているのでご覧ください。
※職種を見ただけでは仕事の想像がつきにくいものもあるので、それは各分野の最後に補足として紹介していきます。
計画・行政
「国・地域づくりに関わる仕事」です。
計画・行政の職種一覧
- コミュニティ開発
- 交通安全
- 防災・災害対策
- 環境行政
- 統計
- コンピューター技術
コミュニティ開発とは?・・・
→ 地域住民が望む生活改善や収入向上、地域活性化への寄与を目的としています。フィールドワークや住民参加型のワークショップを企画・運営し、地域や住民の状況、ニーズ、課題を把握することが出発点となります。住民とともに、人的資源・地域資源を最大限活用し、地域の開発課題解決のために活動します。
活動分野は、農業普及、保健医療、水・衛生、地場産業振興、村落開発事業など、地域の開発課題に合わせて多岐にわたっています。
コンピューター技術とは?・・・
・人材育成型:大学、職業訓練校などで、情報処理技術の授業を行い、国の将来を担うIT技術者を育成する。
・情報システム開発型:省庁などで、公共サービスを提供する情報システムの開発を職員とともに行う。
・IT環境整備型:IT利活用支援、情報インフラ構築、セキュリティ対策など、IT環境の整備を行う。
公共・公益事業
「生活サービスに関わるシゴト」です。
公共・公益事業の職種一覧
- 水質検査
- 上水道
- 下水道
- 廃棄物処理
- 海運・航海
- 土木
- 造園
- 建築
- 測量
- 放送技術・設備
- 番組制作
農林水産
「食べ物や自然に関わるシゴト」です。
農林水産の職種一覧
- 食用作物・稲作栽培
- 花き栽培
- 野菜栽培
- 果樹栽培
- バイオテクノロジー
- きのこ栽培
- 病害虫対策
- 土壌肥料
- 農業土木
- 農産物加工
- 家畜飼育
- 獣医・衛生
- 畜産・乳製品加工
- 林業・森林保全
- 水産開発
- 養殖
鉱工業
「ものづくりに関わるシゴト」です。
鉱工業の職種一覧
- 化学・応用化学
- 金属加工
- 溶接
- 非破壊検査
- 工作機械
- 電気・電子機器
- 電気・電子設備
- 建築機械
- 船舶機関
- 自動車整備
- 木工
- 食品加工
- 陶磁器
- 皮革工芸
エネルギー
「エネルギーに関わるシゴト」です。
商業・観光
「経営管理・マーケティングや観光に関わる仕事」です。
商業・観光の職種一覧
- 経営管理
- 品質管理・生産性向上
- マーケティング
- 観光
観光とは・・・?
・観光省、地方自治体の観光局での観光政策、観光振興、観光資源開発、受入体制整備、市場調査
・統計等の支援・観光局や観光協会での観光マーケティング・プロモーションの企画・実施支援(パンフレットやホームページ作成、SNSの活用を含む)
・大学や専門学校での観光人材(ホテル、レストラン、旅行業、運輸業、ガイド等)の育成・教育支援・観光関連従業員を対象としたサービス・接遇・観光日本語教育
人的資源
「教育やスポーツなど人を育てるシゴト」です。
人的資源の職種一覧
- 青少年活動
- 環境教育
- フィジカルアクティビティ
- 陸上競技
- 体操競技・新体操 ※別々の要請です。
- 水泳・アーティステックスイミング ※別々の要請です。
- 水球
- 卓球
- バトミントン
- ハンドボール
- バレーボール
- バスケットボール
- ソフトボール・野球 ※別々です。
- サッカー
- レスリング
- フェンシング
- 柔道・空手道・合気道・剣道 ※全て別々の要請です
- 相撲
- ウェイトリフティング
- ラグビー
- PCインストラクター
- 音楽・美術 ※別々の要請です。
- 珠算
- 日本語教育・理科教育・数学教育・体育・小学校教育・幼児教育 ※全て別々の要請です。
- 機械工学・電子工学 ※別々の要請です。
- 社会学・文化人類学・地質学・生態調査 ※全て別々の要請です。
- 司書・学芸員 ※別々の要請です。
- デザイン・写真 ※別々の要請です。
- 美容師
- 家政・生活改善
- 手工芸
- 料理
- 服飾
- 文化
青少年活動とは・・・?
→ 子どもや若者の健全な育成と自立を支援する活動のうち家庭や学校教育では対応が難しいことが活動の対象となる職種です。
・困難を抱える青少年の生活や自立を支援する:児童養護施設、人身取引被害者保護センター、難民キャンプなど
・進学や就職を有利にする知識や技術を伝える:英語教育、IT教育、キャリア教育など
・非行少年の社会復帰を支援する:更生学校、少年鑑別所、更生保護施設など
・青少年の体験学習や社会貢献を後押しする:図書館、青少年センター、青少年活動団体など
環境教育とは・・・?
→ 人々が自然と調和した健康な生活を送るために行う、私たちの身の回りや地球全体の環境に関する教育や取り組みのことです。環境教育隊員は、「ゴミ問題」「自然保全」「環境理解」をテーマに、任地の課題改善に向けての活動を展開していきます。
隊員は行政機関や自然保護地域で「イベントや研修会の企画・運営」「学校巡回授業」「教材の開発」「広報ツールの作成」「展示の改良」「コンポストの普及」「グループ育成・人材育成」「モニタリング」「ツアー」「ゴミ処理ルートや方法の改善」「他団体との交流・連携事業」のほか、多様な活動を行っています。
スポーツ隊員について。
→ 協力隊では様々なスポーツに関する要請が27種もあります。スポーツを通じた国際協力を担っており、代表的な活動としては、省庁のスポーツ局などに配属されて、貧困層の青少年の育成、練習環境の改善、現地指導者の指導力向上、競技人口の拡大などがあります。あるいは競技団体やオリンピック・パラリンピック委員会に配属されてジュニア強化選手やナショナルチームを指導する場合もあります。
指導対象者は初心者からナショナルチームまで多岐にわたります。近年では障害者スポーツや女性スポーツなど、スポーツを通じた共生社会の実現に向けて活動している「スポーツ」隊員も増えています。
保険・医療
「いのちに寄り添うシゴト」です。
保健・医療の職種一覧
- 歯科衛生士
- 看護師
- 保健師
- 助産師
- 臨床検査技師
- 診療放射線技師
- 薬剤師
- 言語聴覚士
- 作業療法士
- 理学療法士
- 医療機器
- 病院運営管理
- 栄養士
- 公衆衛生
- 感染症・エイズ対策
- 学校保健
- 柔道整復師
公衆衛生とは・・・?
保健局やヘルスセンター、保健所、医療機関等に配属になり、現地の実情やニーズを把握しながら、地域社会と連携して保健・衛生の向上のための諸活動を行います。感染症予防や手洗い推進、水の衛生環境改善など幅広い分野での地域啓発活動や、学校生徒を対象とした保健・栄養改善などを行う職種です。地域巡回型の活動の他、健康増進のためのパンフレットなど広報媒体の作成や、地域の保健・衛生に関するデータの統計分析といった活動内容もあります。
感染症・エイズ対策とは・・・?
HIV/エイズを含むマラリア、フィラリア症、シャーガス病、結核、ポリオなどの各種感染症の感染防止や撲滅に向けた活動を行います。地域の共同体や住民を巻き込みながら自発的に企画し、ワクチン普及、予防への啓発、教育等を行う他、感染症患者のデータ分析等保健行政支援の要請もあります。地域住民とエイズ陽性者の収入向上支援をしたり、地域のミュージシャンと啓発ソングを制作したりするなどユニークな活動をしている隊員もいます。
社会福祉
「福祉に関わるシゴト」です。
社会福祉の職種一覧
- ソーシャルワーカー
- 障害児・者支援
- 福祉用具
- 高齢者介護
人気の職種を紹介
ズバリ、人気の職種を紹介します。
毎回大人気の職種
テッパンな職種。毎回競争率が高い!
- コミュニティ開発・・・ 倍率 2.32倍(2次試験の受験者/合格者の数)
- 青少年活動・・・ 倍率 1.78倍(〃)
- 環境教育・・・ 倍率 1.87倍(〃)
- コンピューター技術・・・ 倍率 2.3倍(〃)
- PCインストラクター・・・ 倍率 1.57倍(〃)
※実際は1次試験でも不合格者が出るので、上記の倍率よりもとても高くなります。
※2022年春募集の選考状況を参考にしております。
※1次試験は併願制(後述します。)のため倍率を求めることが難しいので省略してます。
その他の人気職種
意外と人気のある職種
- 小学校教育・・・ 倍率 1.35倍(2次試験の受験者/合格者の数)
- 日本語教育・・・ 倍率 2.3倍(〃)
- 障害児・者支援・・・ 倍率 1.66倍(〃)
※小学校教育は現職参加制度の教員の合格者も入っているので、実際はもっと倍率が高いです。
なぜ倍率が高いのか?
何故、倍率が高いのか?ズバリ結論から言うと、応募のハードルが低いからである。
大体の職種が、大学で専門の学部を出ていたり、企業で職種に関連する業務に数年間従事していることが条件だったりする中で、たとえばコミュニティ開発や青少年活動といった職種は、
「実務経験〇〇年」としか書かれていないものが多く見られます。これだと、大体の社会人が応募できることができてしまうので、必然的に専門性が問われない職種は多くの応募者が集まってしまうのである。
受かるためのTips.
応募者の状況
前提として協力隊の志願者には下記記載の2つの状況の人がいます。
志願者の状況
- 自分の経験とスキルを持ち合わせており、要請にビタっと当てはまる人
- 特段、特定のスキルはないけど、熱意があり、絶対協力隊に参加したい人
①の方はそのまま持っている資格や経験を還元できる職種にトライすれば、順調に進めます。(健康状態など他の要因もありますが、、、)
逆に②の方は要請選びには気をつけなければいけません。むしろこの記事を読んでいる方は、多分要請選びに迷っている方がほとんどだと思うのでこっから先は要チェックです。
要請の選び方
応募のハードルが低い要請には、②の方達の応募が集中します。(だから倍率が上がるのですが、、)
その中でもしっかりと合格を勝ち取るためには、以下のことに注意して選んでいきましょう。
注意すること
要請を見ていく中で注視するべきところ
- 要請内容
- 国名/地域
- 資格条件
- 選考指定言語
- 類似職種
要請内容
要請内容は言わずもがな一番重要です。目が疲れるまで、充血するまで読みましょう!
要望調査票というリンクに飛ぶとより詳しい活動内容や期待されている活動が確認できるのでそちらも必ず確認下さい!
国名/地域
やはり、せっかく応募するなら自分のの貴重な2年間を費やす国や地域は選びたいです。僕は、アフリカのサファリやどこまでも続く地平線に憧れがあったのと、アフリカ大陸の地へ足をつけたことがなかったのでアフリカのどこかがいいなと漠然に考えてました。あとは、今後の人生の旅行を考えたときに遠いところに行く機会もまあ多くないやろうと考えていたというのもあります。
こちらも、要望調査票に国名と地域(首都からどれくらいの距離なのか、インフラが整っているか)など詳細が載っているので参考にして下さい。
資格条件
資格条件には様々な記載がありますが、ここをどう捉えるかが結構分かれ目だと思います。
もちろん、記載されている内容全てに当てはまる人は問題ありませんが、例えば「実務経験3年」と書かれているけど、自分は3年も経験ないという人や、マーケティングや営業の知見や経験と記載されていて、知見と経験ってどのレベルなの?
など100%当てはまってない方もいると思います。それでも、過去の経験を紐づけたり、これから出国までに必死に学習するなどすることでも補填可能だと僕は考えてます。(応募当時は考えてました。)
気になる方は、問い合わせ窓口なども用意されているので問い合わせてみることも一つの手段だと思います。
選択指定言語
選択指定言語は、協力隊として活動する時に使用する言語です。また、派遣前訓練時に語学を習うのですが、英語で現地語を習うことにもなるので、しっかりと学習するべきところです。
大体の要請が基準に英語を用いているので、協力隊に応募したい方は事前に英語の勉強をしておいて下さい。
要請を見ていると、A、B、C、D まで語学の段階がありますが、Aの案件はそんなにないので、とりあえずBランクは超えておくようにしましょう。※TOEICで言うと、640点以上。英検だと準一級以上なので、少し難度が高い気がするのでTOEICの受験がおすすめです。
類似職種
そして、この類似職種が意外と抜け穴なのです。
例えば、コミュニティ開発(毎年倍率が高い)の一覧を見てみると、類似職種に野菜栽培やマーケティング、生活改善、公衆衛生など様々な類似職種が記載されています。
相関する職種
コミュニティ開発 ⇆ 青少年活動、野菜栽培、公衆衛生、マーケティング、観光、家政・生活改善
青少年活動 ⇆ ソーシャルワーカー、PCインストラクター、小学校教育、幼児教育
環境教育 ⇆ 青少年活動、廃棄物処理、環境行政、
PCインストラクター ⇆ コンピュータ技術
おわりに
今記事では、要請に関してだらだら書きましたが、最も大事なことは、
(1)開発途上国の経済・社会の発展、復興への寄与
(2)異文化社会における相互理解の深化と共生
(3)ボランティア経験の社会還元
この3つをしっかり理解することです。そして、自分の手で変えていくという熱いマインドを応募する時に伝えて下さい。
長々と読んで下さりありがとうございました。
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