青年海外協力隊への応募が減少している件について考察してみた。

考えている画像 青年海外協力隊
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若者の減少である程度応募が減るのは分かりますがピーク時の1/5になっている理由を考えて見ます。

どれくらい減っているのか

少し前の資料ですが、要請の数は微増しているにも関わらず、応募者は年々減少傾向にあります。この資料では2019年までですが、その後にはコロナの感染拡大のため要請、応募者ともますます減少していると思われます。

 

日本のODA予算の推移

外務省HPより引用

前述したJICA協力隊の応募者数と少し波形が似ている気がします。

因果関係があるとは言い切れませんが、日本のODA予算が減っているということは、JICAが使える予算も減っているということを意味しています

 

ODAとは

ODA(Official Development Assistance) … 「政府開発援助」の略です。先進国の政府や公的機関が開発途上国に対して社会、経済開発のために行う支援のことを指します。

 

ODAには二国間援助多国間援助の2種類があり、二国間援助は直接的に支援する援助を指し、他国間援助では国際機関への拠出となっています。

 

二国間援助では贈与と貸与があり、贈与には資金協力と技術協力があります。

その他にも、その他の政府資金(OOF)、民間資金(PF)などがあります。

JICA協力隊もODA事業の一つというわけです。

ODAに関する調査から見る協力隊応募者の減少

外務省が出している、こちらの記事を今回は参考にしました。平成21年と古い情報なので現在とは違っている部分がある点についてはご注意ください。

中学の公民の授業や、高校の政治経済の授業で学習するはずなのですが、知らない人が多いなという印象を受けます。それだけ興味や関心がないということがわかります。また国際協力に関する情報が政府や国から発信されていないもしくは、届いていないと言うことも考えらえれます。

意外にも協力隊の知名度は高いことがわかります。協力隊って響きって一度聞くと忘れなさそだなとは思います。無駄にかっこいいし笑

減らすべきと考えている層が1/3もいることに驚きます。日本の経済成長の停滞により、昨今のSNSでも海外に支援表明するなら国内に投資して欲しいという投稿をよく見ますが、他国よりもまずは自分達と考える人も大勢いることがわかります。

そもそも、外務省のODAのページに自分からアクセスしようとする人が少ないことがわかります。もっとメディア戦略を考えることでどのようなことをしているのかを国民に伝える必要があるなと思いました。

海外で活動する選択肢の増加による応募者数の減少

海外で働いたり、国際結婚をしたり、学生時代に留学、旅行、SNSの普及による海外情報の取得の簡易化などによって良くも悪くも私たちが海外に増える機会は増えました。

海外で生活する方法

  • 留学をする
  • 海外で就業する
    • 海外での就職(現地採用)
    • 海外駐在
    • 海外でボランティア
    • フリーランスで働く
  • 海外に移住する
    • FIRE(金銭面に余裕がある)や定年後のリタイアメントビザで移住
    • ワーキングホリデーで1〜2年行く。
  • 国際結婚する

他にもいろいろありますが、ざっと列挙しただけでも様々な選択肢があります。

日本人の留学生の数

Education Career HPより引用

日本人の留学生の数は、増加傾向にあります。語学学習や今後のキャリアのためなど様々な要因がありますがそこから新たなキャリアを見つけたり、逆に日本がいいなと考える人もいます。

海外に住んでいる日本人の数

出典:外務省「海外在留邦人数調査統計」

年々、海外に生活の拠点を置く日本人は増えてきています。※パンデミック以降は減少傾向にあります。

これも年々、海外の企業で働く人や日系企業のグローバル化に伴う駐在、結婚などを経て拠点を海外に移している人などが年々増えていることを示唆しています。

僕はサッカーを見るのか好きですが、今日本のサッカー選手も海外でプレーしている選手が非常にたくさんいます。それとこれとが関係あるかはわかりませんが、、、

ワーキングホリデーの参加者数

ワーキングホリデーはビザの一種で、18〜30歳までが利用できます。1〜2年の間提携国で生活できる制度です。

語学学校に通ったり、アルバイトしたりととても便利な制度です。

留学アドバイザーSAさんより引用

2017年と少し古いですが、現在では、29カ国の国と協定を結んでいます。はじまったのが1980年なので始まって以降ずっと利用者数は増えています。

僕もまだ、ピチピチの20代なので選択肢の1つとしてありだな〜と考えています。

海外進出している企業の数

外務省ホームページ 「海外在留邦人数調査統計」 平成30年要約版

少し前のデータとなってますが、75,000越えの海外進出となっています。それだけ販路拡大や労働力の代替として海外への進出が加速していることがわかります。

日本にあるNGOの数

NGO(Non-Governmental Organization) … 「非政府組織」の略称で、国際協力や国際交流に活動の重きを置く団体が多数です。

NGOの活動内容は11区分に分けられます(外務省の分類)。「教育・職業訓練」、「開発・貧困」、「保健・医療」、「環境」、「農業・漁業」、「飢餓・災害」、「平和・政治」、「経済」、「人権」、「政策提言 ・ 調査研究」、「ネットワーク」の11分野に分類されています。

外務省のHPから引用するとNGOの定義としては以下のようになっています。

貧困,飢餓,環境など,世界的な問題に対して取り組む市民団体であれば,NGOと呼ぶことができます。法人組織として立ち上げるためには特定非営利活動法人(NPO法人)もしくは公益法人(一般社団・財団法人,公益社団・財団法人など)などの法人格を取得する必要があります(活動を始めただけでは任意団体となります)。

現在日本には400を超えるNGO団体があり、ということはそれだけ国際問題に関して活動している団体が増えているということです。

日本の経済の停滞

専門じゃないんでサクッといきます笑

引用:総務省統計局「国勢調査」(2008年及び2020年は総務省統計局「人口推計」)より国土交通省作成

これは周知の事実ですが、生産年齢人口が減っています。その分効率化が進めば問題ないはずですが、日本では中々生産性の効率化がうまく行っていません。

引用:資料)内閣府「国民経済計算」・総務省「労働力調査」・厚生労働省「毎月勤労統計」より日本生産性本部作成「生産性データベース(JAMP)

昔から、ずっと生産性は低いままですね。OECD加盟国38ヵ国中27位(2022)だそうです。

名目GDPグラフ
引用:ふくろうさんブログHPより

グラフを見ると一目瞭然で、日本が圧倒的に停滞していることがわかります。

こちらの方のブログとても見やすいのでぜひ参考にしてみてください

まとめ

青年海外協力隊の周知率は比較的いい数字にも関わらず、応募者数が減少しています。考えられることとしては、

  • 少子化によるそもそもの母体数の減少
  • 興味関心を引けていない。
  • 国外での活動の選択肢の多様化。
  • 事業の成果やプロジェクトの開示が十分ではないことによって興味関心を十分に引けていない。
  • 日本の経済の縮小により、まずは国内を立て直そうというベクトルへ変わってきている。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

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